30秒要約
最小値は軸が定義域の左・中・右のどこにあるかで決めます。最大値は必ず端点で起こるので、左右の端点の関数値を比べます。境界は「軸=端点」と「左右の端点値が等しい」の2種類です。
この問題の典型形
文字定数 a を含む二次関数が、固定された区間で定義されている形です。
平方完成すると f(x)=(x−a)²−a²。放物線の軸 x=a が、aの値とともに左右へ動きます。
必要な前提知識
- 平方完成から軸と頂点を読む
- 定義域を数直線で表す
- 上に開く放物線は軸に近いほど値が小さい
- 閉区間では最大値・最小値が存在する
解法の原理
最小値
軸が区間内なら頂点。区間外なら軸に近い端点。
最大値
上に開くので必ず端点。左右の端点値を比較する。
境界
軸=端点、または左右端の値が等しくなるaを求める。
解法手順
- 平方完成して、軸 x=a と開き方を確認する。
- 最小値は a<0、0≦a≦2、a>2 に分ける。
- 最大値は端点 f(0)、f(2) を計算する。
- f(0)=f(2) となる a を境界にして比較する。
- 各場合の値と、その値をとる x を書く。
基本例題
a を実数とする。関数 f(x)=x²−2ax(0≦x≦2) の最大値 M と最小値 m を、aで表しなさい。
詳しい解説
最小値 m
軸が区間の左にある a<0 では、区間内で単調増加なので x=0 が最小。軸が区間内の 0≦a≦2 では x=a が最小。軸が区間の右にある a>2 では、区間内で単調減少なので x=2 が最小です。
m = −a²(0≦a≦2)
m = 4−4a(a>2)
最大値 M
上に開く放物線の最大値は端点で起こります。f(0)=0、f(2)=4−4a。差をとると f(2)−f(0)=4−4a なので、a=1 が切り替わりの境界です。
M = 0(a≧1)
場合分けの図
軸|区間
軸は区間の左。最小は左端 x=0。
区間内に軸
最小は頂点 x=a。
区間|軸
軸は区間の右。最小は右端 x=2。
最大値の境界はこの3区分と別です。端点から軸までの距離が等しくなる区間の中央 a=1 で、左右端の大小が入れ替わります。
よくある間違い
最大値も「軸が区間内か」で分ける
上に開く放物線の最大は端点。端点値の比較が必要です。
境界を0と2だけにする
最小値の境界は0・2ですが、最大値には端点値が等しい a=1 もあります。
値だけを書き、xを落とす
設問が「最大値・最小値とそのときのx」を求める形なら、両方を書きます。
別解
グラフを描かず、導関数 f′(x)=2(x−a) の符号で区間内の増減を判定できます。ただし数学Iでは、平方完成と「軸からの距離」で考える方が単元の本質に合っています。
類題パターン
- 軸固定・定義域の片端が動く
- 軸固定・定義域の両端が動く
- 軸と定義域が両方動く
- 最大値・最小値からaを逆算する
- 最小値 m をaの関数とみて、さらに最大・最小を求める
入試ではどう出るか
教科書では場合分けの基本、共通テストではグラフや会話文と組み合わせた判断問題、私大・国公立では「最大値が一定」「最小値の最大」などの逆問題へ発展します。記述では、境界値を選んだ理由が採点対象です。
演習問題
- f(x)=x²−2ax+3(−1≦x≦2)の最小値をaで表す。
- f(x)=−x²+2ax(0≦x≦3)の最大値・最小値をaで表す。
- f(x)=x²−2ax(0≦x≦2)の最小値が−1となるaを求める。
数強塾プリント
数強塾動画
対応する授業動画は、既存動画の内容確認後に「軸可変・定義域固定」のタグで接続します。動画が未接続の状態を完成扱いにせず、台帳で管理します。